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犬を義人化し過ぎてませんか?
BLOG犬と暮らしていると、つい「人間のように」感じてしまう瞬間があります。 嬉しそうに見える、悲しそうに見える、拗ねているように見える。 もちろん、可愛いからそう見えるし、そう感じたい気持ちもよくわかります。
ただ——ここで一度立ち止まって考えたいのです。 私たちは犬を義人化し過ぎていないか?
前回の記事「“うれしそうに散歩する”は本当に良い事なのか?」でも触れましたが、 飼い主の感覚と犬の感覚は、実は一致していないことが多々あります。
たとえば、アメリカの軍人が数年の兵役を終えて帰ってきたとき、 犬が狂ったように尻尾を振って飛びつく動画を見たことがあるでしょう。 あの瞬間の犬は、損得や条件反射ではなく、純粋な喜びの感情を爆発させている。 犬にも確かに「嬉しい」「寂しい」といった感情は存在します。 ただ、その感情の出方やスイッチの入り方が、人間とはまったく違う構造なのです。
犬の行動は基本的に本能と環境評価に基づいています。
犬は常にこの“環境評価”をしています。 だから、飼い主が「嬉しそう」と感じていても、犬側は「緊張している」こともある。 逆に、飼い主が「怖がっている」と思っていても、犬はただ状況を観察しているだけだったりする。
これは実際に出張訓練に行くと飼い主さんから伝えられる「うちの犬はこう感じているみたいです」と聞く内容と、実際の犬のシグナルが正反対になっている事を多く経験しています。人間の感情ラベルを犬に貼ると、犬の本当の状態を見誤ることがあるのです。
この言葉を見てここで誤解してほしくないのは、 犬が好む“強さ”は、暴力や支配のことではないという点です。
犬が求めているのは、
つまり、犬にとっての「強さ」とは 安心を提供できる人 のことです。
犬は「この人についていけば安全だ」と判断した瞬間、その人を深く信頼します。 逆に、優しいけれど一貫性がない、気分で態度が変わる、指示が曖昧—— こういう人は犬にとって“強くない”。
だから、犬はその人の言うことを聞かないし、頼らないし、時には無視します。
「可愛いから犬を飼った」 これはとても自然で、健全な理由です。
ただ、可愛いからこそ、 犬を人間の感情構造で理解しようとすると、犬の本当のニーズを見落としてしまう。
犬は人間ではない。 犬は犬の論理で動いている。 その前提を持つだけで、犬との関係は驚くほど安定します。
犬を義人化すること自体は悪いことではありません。 むしろ、愛情の表現として自然なことです。
ただし、 犬の行動原理は人とは違う 犬は強い人(=安心を提供できる人)を好む この2点を押さえておくと、犬との関係はもっと深く、もっと穏やかになります。
犬を人として扱うのではなく、 犬を犬として尊重する—— それが、犬にとっても飼い主にとっても最も幸せな形だと私は思います。
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