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トレーニングで克服させないとダメですか?(3)
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「何でもできる犬」を目指さない
犬のトレーニングをしていると、謎の「卒業」が設定されることがあります。
キャリーなら落ち着いて車に乗っていられるようになった。では次は、キャリーから出ても落ち着けるようにしよう。
人から距離を取れば平気になった。では次は、もっと近くても平気なようにしよう。
静かな散歩コースなら楽しく歩けるようになった。では次は、人や犬の多いイベント会場でも歩けるようにしよう。
できるようになったから、次はもっと難易度を上げたい、環境調整だけでは「できた」ことにはなってない、と、いつの間にかトレーニングそのものが目的になってしまう現象です。
キャリーで過ごすことは「いつか卒業しなければならないもの」ではありません。眼鏡を掛けている人が、「いつか眼鏡なしでも見えるようになること」を目標にしないのと同じです。車の中ではキャリーに入っている方が安心して過ごせるなら、キャリーの中で静かに目的地まで移動できる状態が完成形、でもいいと思います。
キャリーで過ごすことは「いつか卒業しなければならないもの」ではありません。眼鏡を掛けている人が、「いつか眼鏡なしでも見えるようになること」を目標にしないのと同じです。
同じ刺激を見ても平気な犬、特別なトレーニングをしていなくても、最初からお利口にふるまえる犬もいます。だからといって「うちの犬も同じようにならなければ」「あのレベルに達しないとしつけたとは言えない」と考える必要はありません。刺激への反応性にはとても個体差があります。何を怖いと思うか。何に興奮するか。何を追いたくなるか。どれくらい刺激を受け流せるか。犬によって違うし、それは犬の優劣の問題ではありません。
トレーニングのゴールは何?
私たちは、トレーニングの目的を「何でもできて完璧に振舞える犬にすること」だとは考えていません。苦手なものがあってもいい。避けているものがあってもいい。キャリーやサークルを一生使ってもいい。
大切なのは、
その犬が必要以上に苦しい思いをせず、家族も無理をせず、お互いが楽に一緒に暮らしていけること。トレーニングが必要なら、トレーニングする。環境を変えた方がいいなら、環境を変える。避けることで解決するなら、避ける。「理想の犬」を求めず、その犬に合った暮らし方を考え、「卒業」を無理に目指さない。それも、犬のトレーニングの大切な役割だと思います。
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