信念はあるけれど | 札幌の犬のしつけ・幼稚園HappyDog

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信念はあるけれど

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我が家の美しトイプードルミシェル(このネーミングぜったいヤメロと、いつも言われる)は、来客の気配を感じると、含み吠えをしたり、激しく吠えることがあります。生後1歳くらいまではそういう吠えはなかったのですが、だんだん車のドアが閉まる音や、玄関のドアが開く音に吠えるようになりました。
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ドッグトレーナーとして吠えの相談を受け、都度「きっとこうだろう」と見当をつけてアドバイスをしてきた私ですが、最近「こういう吠えは放っておいていい」と思うようになりました。特別うるさいと感じないし、いざ来客が室内に入ってきたら大歓迎のミシェル。吠えは興奮によるものと、家族に来客を知らせているようです。
犬が吠える生き物である以上、「完全に吠えない事を要求する」ことは、あまりに人間の勝手すぎる気がします。放置していてもとりたてて困った行動に結び付くわけでもないようです。これは、ここ数年小型愛玩犬と生活を共にするようになった経験から、そう思うようになりました、これは以前にはない考えかたです。
犬に関わって数十年、ドッグトレーナーとして皆様に「プロとしてのアドバイス」を行って14年ですが、言葉を話せない生き物の行動は「きっとこうではないか」と見当をつけて、乱暴な言い方をすれば「あてずっぽう」で考えるしかありません。理論はありますが、それだって数年もたたないうちにコロコロ変わるのはよくあること。
多くの犬と接し、観察してきた「経験値」と、自分の考えさえも疑ってかかる慢性的な猜疑心が、ドッグトレーナーとしての私を育ててくれています、それは今現在も、です。そうして経験値が増えるにしたがって、以前は否定的だった考えを、支持することも出てきました。すべては、「自分の信念」ではなく「良い結果に結びつくかどうか」を重視しているからです。
しつけに対しては個々のドッグトレーナー、獣医師によってそれぞれ「信念」があります。「ほめて育てること」だったり「しっかり服従させること」だったり、本当に様々です。でも犬は一頭一頭個性があるし、犬種特性も大きく影響します(犬種特性は無い、という信念もあります)私にも当然「信念」はありますが、かたくなな信念は障害になる、と40代後半になってから(今更ですが)思うようになりました。
私は基本的に、「犬が良くなるならなんだってする」というスタンスで、観察と実験を繰り返すタイプの訓練士です。そうしてやってきて、14年前の自分と今の自分は、ずいぶん犬に対する態度も、考え方も変化したと感じています。まだまだもっと、これからも変わっていくだろうと思います。
信念はあるけれど、自分の考えに固執せず、柔軟な心を失わずにいたいものです。

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